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大阪高等裁判所 昭和34年(ラ)401号 決定 1960年1月14日

抗告人 島田義一

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

抗告人が本件強制競売手続における債務者会社月光園の債権者として、右債務者に代位してなした本件抗告の適否についてみるに、強制競売手続上の競落許可決定に対しては、当該手続における利害関係人(民訴六四八条、六八〇条一項)及び競落人等の特定の関与者(同六八〇条二項)のみが抗告の申立をなし得るのであつて、「利害関係人である債務者」の債権者が債務者の抗告権を代位行使することは訴訟法上許されないといわなければならない。したがつて、本件抗告は不適法であるから却下し、抗告費用につき民訴第八九条を適用して主文の通り決定する。

(裁判官 澤栄三 木下忠良 寺田治郎)

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